鈴海りゆです
今回は助川成也教授監修の【ビジネス教養サクッとわかる 東南アジア】について紹介していきます。
東南アジアは人口の増加や市場の拡大、比較的安定した治安などを理由に急速に発展・都市化が進んでいる、世界中が注目する巨大市場です。
世界で最も成功した地域協力機構といわれる「ASEAN」の国際的な影響力も今後大きくなるのではと予想されており、今後ビジネスを考えていく上でぜひとも注目しておきたい地域なのです。
そんな東南アジアをまずはサクッと知るために1冊手に取るなら…ということでおすすめしたいのが、この「ビジネス教養サクッとわかる 東南アジア」です。
早速、読んだ感想と本の紹介をしていきます。
東南アジアってどこ?ASEANって何?
東南アジアは、アジア大陸とつながる大陸部のミャンマー,タイ,ラオス,ベトナム,カンボジア5か国と、海に浮かぶ島々の島嶼部(とうしょぶ)マレーシア,シンガポール,ブルネイ,インドネシア,フィリピン,東ティモールの6か国、計11か国からなる地域です。
出典:https://yattoke.com/2018/10/23/southeast-asia/
日本の人口は約1.3億人とされていますが、東南アジアの人口は約6.6億人とされており世界の8.6%を占めます。
若年層が多いことが特徴で、労働賃金も安いため海外企業も積極的に進出しています。 インフラ整備は進んできたとはいえ課題もあり、日本政府もバックアップを行っています。
ASEANは東ティモールを除く東南アジア地域10か国で構成されている地域協力機構です。東ティモールは2002年に独立を果たした国で、ASEAN会議は参加可能ですが議決権はないというのが現状です。
他国に干渉しない内政不干渉という形をとり、ゆる〜い繋がりが特徴のASEAN。全会一致で物事を進めるため一国が会合ボイコットすると機能不全に陥りかけたこともあります。
経済水準は大きく分けてシンガポール,ブルネイが高く、マレーシア,タイ,インドネシアが上位中層階,その他の国が下位中層階というようになっているようです。
今現在も変異株などの影響で収束が見えないコロナウイルスですが、この伝染病で見直されたのがサプライチェーンです。
今までは中国での一極集中生産によるコスト削減を行っていたのですが、今回のコロナウイルスの影響で拠点を分散させる動きが活発になっており、その新しい候補地として東南アジアが選ばれているようです。
東南アジアでは、日本の漫画やアニメゲームなどのポップカルチャーが人気です。日本のブランドは、UNIQLOや無印良品、資生堂などが広く認知されており、大手コンビニやドン・キホーテなども進出しています。
東南アジア11の国をサクッと紹介!
ここからは、東南アジア11か国の国々を1か国ずつサクッと紹介&プチ解説していきます。
- ベトナム
移動はとにかくバイク。 世界で2番目にコーヒーの生産量が多い国で日本への輸出も多く輸入相手のベスト3に入る。 女性の社会進出が盛んで、世界の工場として経済回している国。 - カンボジア
自国通過はほぼ使わずアメリカドル使用。手先の器用さに定評があり賃金も低いため、アパレル系が栄えた。大多数が仏教徒で謙遜が美徳とされ、アンコールは貴重な外資収入源として国を潤している。 - ラオス
国土の70%が高原高山地帯。国際河川のメコン川を生かした水力発電で東南アジアを支えている。 - タイ
生まれた曜日によってその人の色が決まる。 微笑みの国&エキゾチックさ人気の国で、リゾートのプーケットや歴史遺産のアユタヤは大きな観光地。経済成長で自信満々だがそのせいでカンボジア,ラオス,ミャンマーから疎まれてもいる。 国民の90%以上が仏教徒。 - ミャンマー
東南アジアで最も真面目な性格といわれる。知識レベルが非常に高い。国の平均年齢は27.1歳と若い人が国を支えている。民主化が遅れインフラ整備は遅れを取っている。 - マレーシア
マレー系の人の大部分がイスラム教を信仰。体を酷使するのはあまり好まずエアコン効いたオフィスでのワークが憧れ。
中国系は仏教,インド系はヒンドゥー教を進行する人が多く、飲食店などもそれぞれの各宗教に合わせた店舗になっている。 育児と介護は外国人家政婦を雇うことも多い。 - シンガポール
ビジネスは英語、国語はマレー語で海外ニュースがメインで流れる。 国土が狭いため車両規制をしており、車の金額もかなり高額。 ほとんどの人が公営団地暮らし。徹底した統制社会で現在ガムは所持,製造,販売が全て禁止。 - ブルネイ
世界一裕福と言われる王室が存在。国王が国政全般を掌握している。三重県とほぼ同じ大きさで石油と天然ガスが取れる。取れた石油や天然ガスは主に日本に輸出している。 イスラム教が国教で公共の場での飲酒は厳禁。 - フィリピン
英語が堪能でビジネスで有利。海外で働く人は人口の1割を超えると言われる。 インフラ整備に積極投資中。 ノリがラテンでホスピタリティに溢れ、居心地の良さから帰国を嫌がる人も。キリスト教の多くがカトリック。BPO事業に世界が注目。 - インドネシア
釣鐘型のピラミッド人口ボーナスはまだまだ続く国。 のんびりとした性格。国内市場が大きいため輸出市場を目指す企業は少ない。
近年日本食レストラン増加中でイスラム教徒用のハラルメニューも充実してきた。 イスラム教徒の多さは世界1。ただし国教ではない。 離島の少数民族でもスマホを使用している。 - 東ティモール
2002にインドネシアから独立。その後政局が混乱し社会構築が遅れた。ASEANも現在まだ未加盟。 コーヒー豆の輸出を伸ばしたい。
注目!インドネシアの首都移転(2021.07.10現在)
最後にこれから東南アジアで起きるビックイベントについてご紹介します。
それは、インドネシアの首都移転!
今現在インドネシアの首都はジャワ島内のジャカルタという場所ですが、そこからカリマンタン島(ボルネオ島とも呼ばれる)のバリクパパン近郊に移転するというものです。

出典:https://www.rgf-hragent.asia/blog/indonesia/4983/
この首都移転の要因は主に3つ挙げられています。
- ジャカルタの酷すぎる交通渋滞
- 経済格差の拡大防止
- 海面上昇&地盤沈下による首都沈没
ジャカルタの交通渋滞は本当に全く動かないレベルの渋滞で、海面上昇&地盤沈下の影響は台風などではなく普通の高潮だけでも町が沈没してしまう状態。このままでは首都機能が維持できません。
移転先のバリクパパン近郊は自然災害が少なく国土の中央に位置すること、インフラが比較的整っていること、利用可能な土地が多くあることなどで決まったようです。
この首都移転に関しての資金は、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)から確保したり、ソフトバンクは最大400億を投資するという提言などを出しています。
資金のめどが立ち計画に着手するところで今回のコロナ…ということでしたので、「計画自体は延期されているが中止になることはないのでは」と考えられています。
サクッとわかるシリーズは入門書としてオススメ!
ということで今回は、助川成也教授監修の【ビジネス教養サクッとわかる 東南アジア】について紹介しました。
オールカラーだけでなく、地図・グラフ・表・各国のキャラクター化などパッと見でも印象に残りサクサク読み進められる1冊です。
そのため、東南アジアについてザッと知りたい、手っ取り早く大枠を掴みたい、興味はあるけど何から読んだらいいんだ?という方にとって、とても役立つ本になっています。
そして、この「サクッとわかるビジネス教養」シリーズは以下のようなテーマの本もあります。
- サクッとわかる ビジネス教養 地政学
- サクッとわかる ビジネス教養 統計学
- サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学
- サクッとわかる ビジネス教養 宗教と世界
- サクッとわかる ビジネス教養 中国近現代史
ここに上がっている5冊のシリーズ本についても、読了後紹介記事を上げる予定です。書きあがり次第SNSなどを通して情報をお伝えしていきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました!