言っていいんだよ。それは自分を大切にするから言える言葉だ。
他の人は忙しいだろう、自分も暇なわけではないけれど、時間が作れないわけでもないから請け負えるなら請け負おう。
そう言って1人で小さなこと、“準備の準備”を進める。
この時点ではまだなんともないかもしれない。
ほんの小さなことだから、最初は負担に感じない。ただスキマ時間にホホイッと終わらせてしまえばよかった。でもそれは段々みんなの“当たり前”になる。
その状況に、ちょっと苦しくなってくる。
やっていなければ「どうして?」と言われる。それ以上の追求がその場でなくても心の中に不満はたまる。だんだん“自分がやらなきゃ”と思うようになっていく。
もうこの時点で相当苦しいはず。
でも、相談できなければなおさら自分のタスクを積み上げてしまう。他の人に言えていたら、「それはおかしいよ」と言ってもらえたかもしれない。でも、自分では鈍感になってしまっていた心の悲鳴に気づくことはなかなかできなくて、自分は“平気だろう”と受け流す。
そして自分のいっぱいいっぱいになった気持ちがあふれ出したとき、プツンと人は壊れてしまうんだ。
「無理です」と言うのはものすごく勇気のいることだ。今後任せてもらえなくなるかもしれない。無理と伝えることで嫌われるかもしれない。そう考えてしまう人もいるのではないかな。
でも押し込んで押し込んで耐えて耐えて、耐えきれなくなってプツンと壊れてしまったら、立ち直るまでにどれだけの時間がかかるか分からない。
仮に耐えて耐えて耐えられたとしてもモヤモヤは溜まり続けていく。溢れ出すのは時間の問題だ。
だからこそ、「無理です」と伝えることは自分を守ることなんだ。
自分の勇気を振り絞って自分のために発する言葉なんだよ。
「無理です」は言っていい言葉なんだ。
あなたの心を守るために。