留学先でお世話になったホストマザーたちの暮らしは素敵だった。
別にブランド物が溢れているとか、食べてる食事が豪華だとか、そういうことじゃない。
食べているものも、置いてある家具も普通のものと言っていた。じゃあ何が違うんだろう。
夕飯を終えホストマザーとおしゃべりする時間ができたとき、思わず聞いてみた。「マザー、あなたの生活は本当に素敵だし何より楽しそうなの。何か心がけていることはあるの?」と。
マザーはキョトンとしたあと、微笑んで言った。
「まあまあ、ありがとう。そうね…何かあるとするならば、小さ〜な幸せを楽しむことね。」
「小さ〜な幸せ」とは、他の人から見たら本当になんでもないようなことでもいいらしい。
いつもより料理の盛り付けがうまくいったとか、お気に入りのお洋服が着れたとか、家族と楽しくおしゃべりできたとか、美味しいお菓子をちょっと食べられたとか。
ポイントは『丁寧に接する』ということだ。一つ一つのことをきちんと楽しむ。心を動かす。たったそれだけで過ごす時間の質が上がっていく。
「私は日々を、そして人との出会いを大切にしたいの。大きいも小さいも、本当は関係ないのよ。」
そう言って微笑みながらコーヒーを飲みながら幸せそうにReese’sミニを口に運ぶマザーは、本当に幸せそうだった。
友人から偶然もらったお土産のReese’sミニを見て、思い出した大切な“コツ”だった。
